ポンド円の為替レート予想
ポンド相場を中長期で見ると、ボ対円では、2007年7月半ばの1ポンド=250円をピークに、下落してきた。このところは10月25日の127円からやや上昇して130円台に乗せてきている。
英国は金融セクターの比率が高く、バブル崩壊の影響も大きい。財政悪化の状況も「PIIGS」に次ぐ厳しさで、ソブリン危機と経済見通しの悪化から、これまで売られ続けてきた。足元も悪化した国家財政の建て直しのための緊縮財政運営で、景気の減速が懸念されている。
ただ、英国の第3四半期(7~9月期)のGDP成長率は、通貨安の恩恵で純輸出が牽引する形だ。季節調整済みで前期比O・8%増、前年比2・8%増となった。第2四半期も前期比1.2%増、前年比1・7%増と堅調だった。
売られすぎ修正だが景気弱含みでジリ高
相場の動きは、「年明け3ヵ月ぐらいを見れば対円レンジはIリ=128~138円で、上がる方向」と、シティバンク銀行チーフFXストラテジストの高島修氏は見る。
「上値は重いものの、ポンドは対ユーロで売られすぎ、どの通貨に対しても、相対的に割安になっている。バリュエーションから押し目買いが入りやすい」からだという。高島氏は前提として、現在のドル高の動きは、「ドルが売られすぎたことの修正と欧州の金融機関がドル調達難となっていることが背景にある、消極的なドル高。EUの財政危機への対応で、こうしたドルの目詰まり感が解消されてくれば、ドルは反落する。
もし、解消されなければ、FRBが通貨スワップで供給するだろう。ドルが反落すれば、逆にポンドは上昇し、対円でも上昇しやすくなる。ただ、根本的に経済がよくないので、ジリジリと上がるような動きにとどまるだろう」とする。
FX初心者の為の為替情報
中国国家統計局が日本時間11時に発表した中国主要経済指標では、3月消費者物価指数の前年比は5.4%上昇で、予想(5.2%上昇)を上回り、また、1-3月期実質GDPの前年比も9.7%増で、予想(9.4%増)を上回った。しかし、想定内の結果であったことから市場の反応は限定的となり、中国と経済的関係が深い豪州の通貨ペアの豪ドル/円は88円20銭近辺で 揉み合いとなった。その後、消費者物価指数の上昇を受け、中国の金融引き締め観測がくすぶる中で、中国上海総合指数が軟調に推移したこと等を背景にリスク回避姿勢が強まり円買いが優勢。ドル/円は83円70銭近辺から83円29銭へ、ユーロ/円は121円30銭近辺から120円46銭へ、豪ドル/円は88円20銭近辺から87円61銭へそれぞれ下落した。