ユーロドルの為替レート予想

ユーロドルの為替レート予想

ユーロードル相場は方向感の定まらない展開になりそうだ。両通貨とも弱材料を抱えたまま、綱引きが続くと見られるからだ。1ユーロ=1.4ドルを超える水準ではユーロの上値が重たい。

 

ドルは金融緩和、ユーロは財政危機と、弱材料探し

 

足元はドル買いユーロ売りが優勢。アイルランドの財政危機を機に、同国やスペインの長期金利と対独国債のスプレッドが拡大。信用不安の高まりから、ユーロが売られた。ただ、さらにドル買いに弾みがっくかどうかは流動的だ。米国景気や金融政策の先行きが読み切れず、FRBのQE2が当初計画に沿って来年6月末まで実施されるかをめぐり、市場の見方は対立している。仮に量的緩和が奏功して実体経済の拡大テンポが巡航速度を取り戻せば、6月を待たずにQE2が打ち切られるとの観測が台頭。ユーロを売ってドルを買う動きが活発化するだろう。

 

これに対し、米国の雇用改善が思わしくなく、デフレ懸念も強まるようだと、「QE3」が視野に入ってくる。そうなれば、ドルの上値は重くならざるをえない。だが、ユーロ圏の財政不安も早期解決は望めない。こうした状況下では、域内経済の足を引っ張るユーロ高進行は避けたいところ。ユーロ参加国首脳らはユーロードル相場の動向を注視。「1ユーロ=1.4ドルに乗せてくると、政策当局者の牽制発言が聞かれ始める」との指摘は多い。

 

それだけに、当面は同水準がユーロの上値として強く意識されそうだ。反面、米国景気の足元がおぼつかないため、下値の余地も限られたものになろう。「3月までに1.25ドル程度まで売られる可能性はある」などと予想する向きはあるが、今年6月のような1.2ドル割れを想定する声はほとんど聞かれない。

FX初心者の為の為替情報

中国国家統計局が日本時間11時に発表した中国主要経済指標では、3月消費者物価指数の前年比は5.4%上昇で、予想(5.2%上昇)を上回り、また、1-3月期実質GDPの前年比も9.7%増で、予想(9.4%増)を上回った。しかし、想定内の結果であったことから市場の反応は限定的となり、中国と経済的関係が深い豪州の通貨ペアの豪ドル/円は88円20銭近辺で 揉み合いとなった。その後、消費者物価指数の上昇を受け、中国の金融引き締め観測がくすぶる中で、中国上海総合指数が軟調に推移したこと等を背景にリスク回避姿勢が強まり円買いが優勢。ドル/円は83円70銭近辺から83円29銭へ、ユーロ/円は121円30銭近辺から120円46銭へ、豪ドル/円は88円20銭近辺から87円61銭へそれぞれ下落した。