カナダドル円の為替レート予想
カナダドルは来年半ばにかけ、対円、対ドルともに強含みで推移するとの見方が有力だ。今年5月以降、カナダドルは対円でジリ安傾向をたどり、90円台から一時80円割れまで下落、現在は83円前後だ。対ドルでは、夏場以降、強含みで推移しており、ほぼパリティ(同価格)の水準にある。カナダ売りに一巡感?
原油などの資源国だが米国の景気動向に連動
カナダは原油などの資源国であり、新興国と同様、世界景気拡大で投資家のリスク許容力が高まったときに市場の資金が集まりやすい。また、輸出先の8割を占める米国の景気動向に影響を受けやすい特徴がある。
そのため、ギリシヤ危機で市場のリスク回避姿勢が強まった5月以降、カナダドルは対円で下落に転じた。米国経済の減速が顕著となった夏場以降は一段と下げた。カナダ自体も4~6月期のGDP成長率が2.0%で、減速感が出ている。
しかし、11年111月に米国が量的緩和第2弾(QE2)を実施し、インフレ期待から米国の市場金利が上昇に転じると、カナダドルはドルとともに対円で反発。下げ相場に一巡感が出ている。「来年に入ると、QE2の効果が浸透し、米国経済が改善に向かうことで、資源価格が上昇。資源輸入国・低金利の日本の円か売られやすい反面、カナダドルが上昇しやすい地合いが強まる」
「米国景気の改善が波及すれば、カナダの利上げ観測も高まる」。カナダの中央銀行は今年6月に利上げを実施したが、次回4度目の利上げ観測による市場金利上昇がカナダドルを下支えする。リスク要因は、米国景気の回復の遅れや欧州財政不安の高まり。当面は、その成り行きを注視しつつ、神経質な展開が見込まれる。
FX初心者の為の為替情報
中国国家統計局が日本時間11時に発表した中国主要経済指標では、3月消費者物価指数の前年比は5.4%上昇で、予想(5.2%上昇)を上回り、また、1-3月期実質GDPの前年比も9.7%増で、予想(9.4%増)を上回った。しかし、想定内の結果であったことから市場の反応は限定的となり、中国と経済的関係が深い豪州の通貨ペアの豪ドル/円は88円20銭近辺で 揉み合いとなった。その後、消費者物価指数の上昇を受け、中国の金融引き締め観測がくすぶる中で、中国上海総合指数が軟調に推移したこと等を背景にリスク回避姿勢が強まり円買いが優勢。ドル/円は83円70銭近辺から83円29銭へ、ユーロ/円は121円30銭近辺から120円46銭へ、豪ドル/円は88円20銭近辺から87円61銭へそれぞれ下落した。