実力より割高な自国通貨高

実力より割高な自国通貨は高経済成長を低下させる

国によるばらつきは大きい。08年において欧州主要国は軒並み購買力平価より二割を超える水準になっているのに対し、韓国ウォンはマイナス三一%の水準にある。日本は乖離率が縮小傾向にある。デフレが続き、購買力平価が上昇基調で推移する一方で、90年代後半以降円安傾向が続き、08年時点では購買力平価を一三%上回る水準にまで乖離率が縮小した。

 

そして、各国の内外価格差と同時期の経済成長率との比較をすると、内外価格差はおおむねその国の経済成長率と負の相関関係がある。特に内外価格差の大きい日本は経済成長率が低水準となっている。これは、購買力平価と比べて著しく自国通貨高となれば、輸出競争力が低下し経済成長率が鈍化する関係をあらためて示唆している。

内外価格差が円高メリットを阻害

日本の場合は、輸出産業が競合するアジア諸国通貨がドルリンクであること、対ドルで円高を望むことが多かった米国の通貨政策といった日本特有の事情により、八〇年代後半から実力以上の円高を余儀なくされた。結果として購買力平価への修正は国内物価の下落に負うところも大きくなった。